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横浜市の燃やすごみのプラは1万2000トン減った。洗えない容器も資源に出せる


横浜市の燃やすごみに混ざっていたプラスチックは、2022年度の54,000トンから2025年度の42,000トンへ、12,000トン減った。広報よこはま令和8年8月号の特集はこの成果を伝えているが、家庭の燃やすごみにはまだプラスチック類が13.8%残っている。残りを動かす鍵は、洗えない容器を燃やすごみに戻さないという一点である。

燃やすごみのプラは1万2000トン減った。市民の分別が効いている

広報よこはま令和8年8月号(第930号)の特集「もっと地球にやさしいヨコハマへ カギはプラスチック!」は、燃やすごみに入っていたプラスチックの量が2022年度の54,000トンから2025年度の42,000トンへ減ったと記す。差は12,000トンで、特集はこれを「ごみ収集車6,000台分」と表現している。減少期はプラスチックの分別方法が変わった時期と重なる。

横浜市の一般廃棄物処理基本計画である「ヨコハマ プラ5.3(ごみ)計画」は、2030年度までに燃やすごみに含まれるプラスチックを2022年度比で20,000トン削減することを目標に掲げる。市民1人あたりに換算すると5.3キログラムであり、計画名の「5.3」はこの数字に由来する。12,000トンはその目標のかなりの部分に当たるが、残りはこれから積み上げねばならない。

燃やすごみの13.8%はまだプラである。減らす余地は残っている

横浜市資源循環局政策調整部政策調整課調査等担当が実施するごみ組成調査によれば、令和6年度の家庭系燃やすごみの組成は、生ごみが30.6%、紙類が28.8%、プラスチック類が13.8%である。分別が進んだ後でも、燃やすごみの7分の1近くがプラスチックで占められている計算になる。

ここが行動を変える余地である。生ごみと紙は減らしにくいが、プラスチック類は多くが週1回の「プラスチック資源」の収集に回せる。特集も、間違って燃やすごみに入っているプラスチック資源の例を挙げて注意を促している。

50センチを超えるプラは資源に出せない。それ以外はほぼ対象である

2025年4月から、横浜市は全18区で収集の枠組みを変えた。従来の「プラスチック製容器包装」の日が「プラスチック資源」の日になり、容器包装だけでなく、プラスチックのみでできた製品も同じ袋に入れられるようになった。歯ブラシ、バケツ、収納用具、文房具、おもちゃ、調理用具が新たに対象に加わっている。

出せないものの線引きは明快である。金属やゴムなど他の素材を含むもの、厚くて硬いもの、最も長い辺が50センチ以上のものは対象外となる。ペットボトル本体と小型家電も別扱いである。逆に言えば、この条件に触れないプラスチックはおおむね資源として出せる。容器包装のリサイクルマークが付いていなければ出せない、という理解は現行制度では誤りである。

そして汚れの扱いこそ、誤解が最も根深い。横浜市は「中身を残さないようにして、中をゆすいでください。(チューブ類や中を洗うことが難しい袋などは、中身を使い切っていただければ洗う必要はありません。)」と明示している。啓発ページはさらに踏み込み、汚れは軽くゆすぐか拭き取ればよく、袋状の容器は中身をはらうだけでよく、シールやラベルははがしきれなくてもよいと説明する。丁寧に洗えないから燃やすごみへ、という判断は不要である。

プラ製容器包装の分別収集は全国75.8%にとどまる。横浜市は先を行く

他自治体と比べると、横浜市の位置づけが見えてくる。環境省が公表した令和5年度の容器包装リサイクル法に基づく実績では、プラスチック製容器包装の分別収集を実施した市町村は全国1,741市町村のうち1,320で、実施率は75.8%、人口カバー率は84.1%、分別収集量は756,479トンだった。4分の1近くの市町村では、そもそも容器包装の分別収集が行われていない。

製品プラスチックまで含めた回収となると、さらに限られる。プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律に基づき再商品化計画の認定を受けた自治体は、環境省の普及啓発ページで52自治体とされている。全国の市町村数と比べれば、まだ例外的な段階にある。横浜市に住む人は、多くの自治体では選べない出し方を選べる立場にある。

ごみゼロ先進20都市に日本から選ばれたのは横浜市だけである。基準は市民参加だ

海外の目にも同じ点が映っている。国連事務総長が設置したごみゼロ諮問委員会(Advisory Board on Zero Waste)は2026年3月、廃棄物削減で世界の模範となる「20 Cities Towards Zero Waste」の20都市を発表した。国連人間居住計画(UN-Habitat)の発表によれば、選ばれたのはボローニャ、サンフランシスコ、杭州、クアラルンプールなどで、日本からは「City of Yokohama (Japan)」のみである。

発表は、世界全体で年間21億トンを超える都市固形廃棄物が生じている現状を背景に置く。横浜市が挙げられた理由として強調されているのは、人口が増えるなかでごみを大幅に減らしたこと、それを市民の参加で達成したことである。制度が優れているからではなく、住民が分けているから選ばれた、という順序である。

廃プラ焼却のCO2は全国で1470万トンである。分別は温暖化対策でもある

なぜプラスチックだけが特別扱いされるのか。理由は焼却時に出る二酸化炭素の性質にある。特集は、ごみ処理に伴う温室効果ガスの約90%がプラスチックなど石油由来のごみの焼却によるもので、収集車の排気ガスなどは約10%にすぎないとする。紙や生ごみの炭素は植物由来だが、プラスチックは化石燃料からつくられており、焼却は地下に眠っていた炭素を大気に移す行為になる。

規模の感覚も国の資料が示す。環境省の廃棄物・資源循環分野の中長期シナリオでは、2019年度の同分野の温室効果ガス排出量は約3,970万トンCO2、うち廃プラスチックの焼却・原燃料利用に伴う排出は約1,470万トンCO2、一般廃棄物由来は約680万トンCO2(約46%)とされる。横浜市の計画も、市内で焼却される石油由来プラスチックを2022年度で年間約14万トンと見積もる。家庭で1つの容器を資源側に動かす行為は、この数字の末端につながっている。

経済の面も見ておきたい。容器包装のリサイクル費用は法律上は製造・販売する事業者が負担する仕組みだが、一定規模より小さい事業者は負担を免除され、その分は市町村が負担することとされている。分別されずに焼却された分のコストは、めぐりめぐって税で賄われる。分別は道徳の問題である前に、費用の問題でもある。なお環境省の調査では、令和5年度の全国のごみ総排出量は3,897万トン、1人1日当たり851グラム、リサイクル率は19.5%で、日本全体のリサイクル率は2割に届いていない。

週1回の資源の日に出すだけでよい。手間はほぼ増えない

行動は単純である。第一に、収集日を確認する。プラスチック資源は週1回の収集で、集積場所のシールで曜日がわかる。第二に、透明または半透明の袋にまとめて出す。小さな袋に縛って入れると機械処理の際に破けず中身を確認できないため避ける。第三に、洗えるものは中をゆすぎ、洗えないものは中身を使い切るか、はらう。第四に、金属やゴムを含むもの、硬く厚いもの、50センチ以上のものだけを燃やすごみや粗大ごみに回す。

台所と洗面所を見渡せば、対象はすぐ見つかる。調味料のチューブ、惣菜のパック、菓子の袋、詰め替え袋、緩衝材、ラップ。これらが燃やすごみに入り続ける限り、13.8%という数字は下がらない。逆に、この習慣が定着すれば、残る目標分は市民の手で埋まる。問い合わせ先は資源循環局家庭系廃棄物対策部業務課である。

出典

情報確認日 2026-08-01。収集日、対象品目、出し方の細目は区や集積場所によって運用が異なる場合があるため、実際に出す前に横浜市資源循環局の該当ページまたは区の案内で最新の情報を確認されたい。本稿の数値は上記出典の記載時点のものである。