月はなぜ、いつも同じ顔を地球に向けている?
夜空の月を何度見ても、見えている模様はだいたい同じです。
「月は自転していないからでは?」と思うかもしれません。でも、実際は逆です。月も自転しています。
ポイントは、月が地球の周りを1周する時間と、月自身が1回自転する時間がほぼ同じだということです。
想像してみてください。自分が部屋の中央にいる人の周りを歩きながら、ずっとその人の方を向いて1周するとします。
最初は北を向いていたとしても、4分の1周すれば西、半周すれば南、さらに進めば東へと、自分の体の向きは少しずつ変わります。そして1周して元の場所へ戻るまでに、自分自身も1回転しています。
月もこれに近い動きをしています。
地球の周りを公転しながら、自分自身もほぼ同じ周期で自転する。そのため、地球から見ると月のほぼ同じ側がこちらを向き続けます。このような状態は「同期回転」と呼ばれます。
もし月がまったく自転していなかったらどうなるでしょう。地球の周りを半周したころには、最初とは反対側の面が地球から見えるはずです。いつも同じ面が見えること自体が、月が自転している証拠ともいえます。
ただし、地球から本当に月面のちょうど50%しか見えないわけではありません。月の軌道や向きの関係による「秤動」という見かけの揺れがあるため、時間をかけると少しだけ向こう側まで見ることができます。
月を見上げたとき、「動いていない顔」ではなく、「地球を回りながら自分も回っている顔」だと考えると、いつもの月が少し違って見えてきます。