横浜市の予算、最初は「400億円不足」だった。どう埋めた?
横浜市の予算を見ると、最初から必要なお金が全部そろっていて、それを各事業へ配っているように見えるかもしれません。
しかし2026年度予算の編成は、そうではありませんでした。
横浜市の予算資料によると、減債基金を臨時に100億円活用することを見込んだ上でも、編成は「400億円の収支不足」からスタートしました。
ここでいう収支不足は、市が400億円を支払えなくなったという意味ではありません。予算編成の段階で、見込まれる歳入と必要な歳出の間に、それだけの差があったということです。その差を埋めて予算を成立させる必要がありました。
では、どう埋めたのでしょうか。
市の資料では、予算編成方針を公表した時点との比較で、市税・県税交付金・地方交付税などの見込み直しが370億円。「創造・転換」などによる財源創出が212億円。財政調整基金を使った年度間調整が200億円、保有土地売却益の活用が40億円、下水道事業会計の留保資金活用が40億円などとされています。
一方で、人件費や物価動向などに伴う財政需要への対応もありました。つまり、収入側の見込みが良くなった分だけで単純に400億円を埋めた、という話ではありません。増える需要にも対応しながら、複数の手段を組み合わせて必要な財源を確保した、というのが実態です。
ここで注目したいのは「基金」です。基金は自治体の貯金にたとえられることがありますが、目的や役割は一つではありません。今回も減債基金の臨時的活用と、財政調整基金による年度間調整は別の項目として示されています。
2026年度は「横浜市中期計画2026-2029」の初年度です。新しい施策を進めるにも、物価高や人件費増に対応するにも、お金の裏付けが必要になります。
予算を見るときは「総額はいくらか」だけでなく、「編成時にどんな不足があり、何を使って財源を確保したのか」まで見る。そうすると、市の財政が少し立体的に見えてきます。