クモは昆虫じゃない。では「昆虫」って何?
公園で見つけたクモを見て、「虫がいた」と言うことはあります。でも、生物学でいう「昆虫」にクモは入りません。
では、昆虫とは何でしょう。
いちばん覚えやすい基本は、成虫の体が「頭・胸・腹」の3つに分かれ、胸に3対、つまり6本の脚があることです。東京大学先端科学技術研究センターの解説でも、昆虫の体は頭・胸・腹からなり、脚は胸にあると説明されています。
ポイントは「6本」という数だけでなく、「脚が胸についている」ことです。胸は3つの節に分かれ、それぞれに1対ずつ脚があります。
羽がない生き物は昆虫ではないのでしょうか。そうとも限りません。昆虫を見分ける基本では、羽の有無だけでなく、頭・胸・腹の3部と、胸に3対の脚があるという体のつくりを見る方が確実です。
クモは昆虫と同じ節足動物の仲間ですが、昆虫ではありません。体は頭胸部と腹部の2つに分かれ、脚は4対8本です。昆虫の「頭・胸・腹」「3対6本」と比べると違いが見えてきます。
さらに意外なのがダンゴムシです。名前には「ムシ」と付きますが、昆虫ではありません。栃木県立博物館は、ダンゴムシを等脚目の甲殻類で、節足動物の一員として紹介しています。
日本語の「虫」は、生物学の「昆虫」よりずっと広い言葉です。小さな生き物を日常的に「虫」と呼ぶことと、分類学上の昆虫であることは別なのです。
次に公園で小さな生き物を見つけたら、名前を当てる前に体を見てみてください。「体はいくつに分かれている?」「脚は何本?」「どこから生えている?」。それだけで、いつもの虫探しが小さな分類学になります。